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ケーキ&パン店の接客シリーズのはじまり

第1章 基礎編 接客応対のイロハ

12.五配りの接客を忘れずに

◆言葉だけでは心がこもらない

自動販売機やセルフサービスでの販売が街中にあふれている中で、小売店に求められるのは、フェース・トゥ・フェース (向かい合って・直接)の販売であることは言うまでもありません。

接客の基本的なことをマスターし、さらにサービスを強化したいと思うのはお店としては当然です。しかし、サービスを むずかしくとらえすぎると、基本的なことがおろそかになりが ちです。

例えば、お客様が「○○はどこにあるの」と質問したときにただ口先だけで「それは奥の右です」と答えたのでは、十分 に伝わらないどころか、相手に不快な感じさえ与えかねませ ん。その方向を見たり、手で示したり、あるいは、すぐに案内するか、時には、「お持ちしましょうか」といって、販売員が取りに行くといったことが接客のレベルを上げることになり、人的サービスの強化にもなります。

◆五配りは人的サービスの原点

心を表すのは、表情であり、動作であり、ことばです。これ らが一体となったときに、自然な形で相手に心地よく伝わります。

それは、つまり心配り、気配り、目配り、手配り、身配りの五つが整ったときです。

心配りはすでに心構えとしてある基本的なもので、一言で言えば思いやり。気配りとは状況によって臨機応変に対応できることです。

店内やお客様の様子など、情報がすばやくキャッチできるのは目からです。絶えず目配りをしたいものです。

手配り、身配りとは、お客様に対応しているときに、ことば だけでなく、手配りや身配りが伴うことです。

子どもや年配客には目線が会うように身をかがめたり、商品を受け取りやすいように手を添えたりといった動作のこと です。また、出口までお見送りするなど、ちょっとした一動作 がお客様の心を動かすことはいうまでもありません。

おもてなしの心を大切に『ワクワク接客講座』ポイント24